【平成30年税制改正】新しい事業承継税制で無税にできるかも




平成29年末に発表された30年税制改正。このうち、いちばんのインパクトはなんと言っても新しい事業承継税制だろうと思います。事業の経営者から後継者へ、やり方によっては無税で承継できるようになる、ということで、大きな話です。

とはいえ、事業承継税制自体はずっと以前からあったのですが、条件が厳しすぎてあまり活用されないまま来ており、その一方で下図のとおり税金負担や後継者不足が原因で黒字廃業とかもったいない事態が実務界では起きているという現状があります。

それでこれは何とかしたい、ということで、今回条件を大幅に緩和して、事業を潰さなくて良いように援護射撃するという意味があります。


事業承継税制とは

基本的な内容としては、事業を後継者に承継するときに、その自社株の贈与に係る納税を猶予し、最終的には免除します、というものです。贈与税の税額自体は計算して申告するのですが、ずーっと納税猶予して、最後に(後継者が亡くなった時に)免除なので、実質無税となる訳です。




平成30年改正の緩和措置

それで、平成30年改正の何がすごいかと言うと、次のような緩和措置が導入された点です。

(1)納税猶予の対象となる株式はこれまで3分の2までだったのが、100%全部対象にできることになった

(2)猶予される税額はこれまで80%までだった(20%分は納める必要があった)のが、100%全額猶予されるようになった

(3)これまで承継するひと1人、承継を受ける人1人の1対1だったのが、承継を受ける人が3人までカバーされることになった (息子兄弟で承継とかの場合便利)

(4)承継後に従業員の8割を5年間雇用しなければいけなかった(継続雇用できなければ猶予停止)のが、支援機関を通じて申請すれば猶予を継続できるようになった

(5)承継後に廃業や事業譲渡したら猶予停止だったのが、廃業や譲渡時の時価で税額を再計算して納税すれば良いことになった

この5つが本当にスゴイ。特に(4)はネックになることが多く、事業にはどうしても波があるので、従業員の8割を5年間雇用というのはちょっと二の足を踏んでしまう原因でした。万が一この要件を満たせないと、猶予停止で全額即金でお支払なので、後継者としてはちょっと厳しいです。(5)も廃業するほど苦しい状態であれば、自社株の時価も相当下がっているので、以前よりはずっとやさしい感じがします。


注意すべきこともある

この緩和措置で、間違いなく事業承継が進むでしょう。ですが、ここに以下のような注意事項がありますので、ご注意ください。

(1)この緩和措置は30年から39年までの時限措置。今のところこの10年間だけの適用です。しかも、35年までに特例承継計画というのを作って都道府県に事前申請が必要です。従って意外と時間の余裕が無い、ということになります。早め早めの準備が必要です。

(2)そもそも後継者が居ないとダメ。後継者がいて初めて成り立つ話です。なお、後継者(親族である必要はありません)は承継の前3年間その会社の役員である必要があります。急に来た人ではダメということです。(1)の期間の問題と絡めて、こちらも早め早めの準備が必要です。

(3)現経営者は承継により代表取締役を辞任する必要があります。第一線から退いて隠居してください、ということなりますが、取引先との関係など現実にはこれもなかなか難しい話です。

その他にも会社の事業内容や、株式の分散具合、相続との関係など、考慮すべき点があります。

 

まとめ

まとめますと、新しい事業承継税制はスマッシュヒットといっても良いくらい、すばらしい制度で、事業承継を考えている方は今がチャンスと言えますが、時間軸を見据えた周到な準備をしていく必要がある、ということです。しかし、準備さえすれば無税で事業を引き継げることになります。

以上、新しい事業承継税制で無税にできるかも、という話題でした。

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日本人の生産性はなぜ低いのか

今日は3月18日。家族旅行で箱根に来ています。一泊二日で温泉ホテルに宿泊しています。世の中景気が良いのか、ホテルは満室のようで非常に混み合っており、みんな遊んでいるなあと思うわけです。ホテルに来る前には御殿場のアウトレットモールに寄りましたが、そちらもお客さんでいっぱいでした。外国人の観光客の方もたくさんいてとても賑わっていました。

温泉の休憩所にて

 

働き方改革とか裁量労働制とか

今巷では働き方改革とか裁量労働制をめぐる話題が賑やかですが、私の場合もう10年以上裁量労働制というのか高プロというのか、そういう形態で勤務しており、その立場から少し考えを書いてみます。

この議論には働きすぎを抑制したいという点と、人口減少による人手不足を担いたいという点の矛盾した二つの論点が入り混じっているのが特徴のように思います。

人口減少により働き手が少なくなるという問題に対しては、特に女性が働きやすい職場を作ることが大事で、このため働き方改革行なって仕事と家庭の両立を目指すという考え方があると思います。

ですが、働き手が増えたとしても長時間労働になってしまうしまうと結局長続きしないということになりますから、裁量労働制を導入してある程度自由の利く時間の使い方ができるに使用できるようにしよう、と言う発想になるのだと考えます。

ところが裁量労働制は雇う側から見ると「定額働かせ放題」という面があり、この結果この制度を悪用して結局のところを長時間労働させてしまう、というケースがあるのではないかと批判されているわけです。

 

「定額働かせ放題」か「定額怠け放題」か

自分は、この議論には生産性の改善という考え方が必須であると思います。生産性が改善すれば「定額働かせ放題」というのは労働者の側から見ると、より少ない時間の労働でも定額の給料がもらえる制度ということになります。いわば「定額怠け放題」です。

つまり同じ仕事がこれまで8時間かかっていたものが4時間でできてしまう様になれば、その空いた時間はその人の生活や人生のために使うことによって、仕事と生活の両方を充実させることができる事になります。生産性を上げれば上げただけ、総労働時間が短くなり時間単価が高くなるという訳です。

実際に私も裁量労働制で1日4−5時間しか会社の仕事をしていませんがフルタイムとしての給料を頂いています。これでも1人前の仕事ができており、生産性改善をコツコツと工夫して1日8時間も仕事しなくても良くなったのです。

 

生産性が低い日本人

現在されている議論というのは、この生産性の改善についての処方箋が全くないため、働くことが単なる苦役として認識されているように思います。そうではなくて生産性の改善によって仕事と生活の両方の質(クオリティ・オブ・ライフ)を改善していく検討が必要です。

実際のところ、この生産性改善の観点の欠如は全体の問題であり、日本の1人当たり労働生産性は現在OECD 加盟国のなかで21位(2016年調べ)となっており、先進国の中では最低になっています。

 

(出典:公益財団法人 日本生産性本部)

 

このような生産性の低さが結局のところ長時間労働をもたらし、仕事は苦役であるという認識に帰結しています。

ではなぜ日本の生産性がこれほど低いのか。自分のこれまでの経験と観察からは次のようなことが言えると思います。

 

なぜ日本の生産性は低いのか

前任者引き継ぎ文化

芸術家や創業者でないかぎり、自分の仕事を自分の前にやっていた人(前任者)がいます。日本人はかなり忠実にこの前任者から仕事を引き継いで、そのあと疑うこともなくコピーしてしまう傾向があります。どんなに時代遅れで効率が悪いやり方でも、それを見直すことなく毎日繰り返してしまう、そういう習性があるようです。

PDCA が回っていない

Plan-Do-Check-Actionは非常に平易で理解しやすいフレームワークですが、それ故に実施されない傾向があります。これは日本だけという訳ではありませんが、前述に前任者引き継ぎ文化とあいまって、問題点により気がつきにくい、そういう習性があるようです。この問題については過去記事ご参照ください。

効果がメキメキ上がるPDCAの使い方

ITリテラシーが低い

新しいアプリやクラウドサービスが登場しても、なかなか採用しようとせず、遠巻きにみているだけ、批評しているだけ、という人が多いように見受けられます。まずやってみる、の精神が欠如しています。

紙文化

世界でもいまだにFAXを多用しているのは日本だけです。諸外国では博物館にあるようなFAXマシーンが多くの事業所で現役です。FAXが使えないとかありえない、というのが、残念ながら日本の現状です。また、印刷したものを郵送したり、保管したりなど、日本の紙文化は低い生産性の原因です。1日の早くこれが消滅することを願うばかりです。

ミーティングが好き

生産性が低い人というのは集まって話すのが大好きです。この結果井戸端会議と変わらないようなミーティングが召集されます。基本的にアップデートとか情報共有目的のミーティングはメールなどで代用したほうが効率的であり、往々にして無駄です。私もこの手のご招待はなるべくお断りするようにしています。

電話が好き

電話は相手の時間と集中を奪う低生産性のデバイスです。にもかかわらず、電話をかけてしまう人が後をたちません。自分は基本的にかけることも、多くの場合出ることもしません。着信履歴を見て、手が空いたときに「御用は何ですか?」とメールします。たまに、「お時間のよろしいときにお電話ください」という留守電がありますが、何の用件かも分かりませんし、基本無視します。この場合も「御用は何ですか?」とメールします。相手のアドレスが不明の場合、申し訳ありませんが何の返事もしていません。

勤勉勤労の思想教育

多くの方は子供のころから、勤勉勤労は美徳とする教育を受けています。働かざるもの食うべからず、という訳です。本当は、働かないで儲かるのが一番なのに。この思想教育のおかげで、生産性が低いことについて疑問が持ちにくいようです。一生懸命働いてさえいれば、効率など関係ないからです。結果としてラットレースに参加していることが安心材料になっています。この問題についてはkちらの本に詳しいです。

抽象的に考えるのが苦手

日本人は特に欧米人と比べて、教育レベルが高い層であっても、抽象的に考えるのが苦手のように見えます。雑多な出来事に共通する性質を洞察したり、物事を俯瞰して見たり、そういう抽象化が苦手です。これも学校教育の後遺症なのかもしれませんが、目の前の具象に集中して、前後や全体が見えないので、最終的に生産性が上がりません。日本からはノーベル賞の学者先生も多く出ているので、全員が苦手ではないのでしょうが、平均すると苦手という感じです。

人生を楽しむという発想の欠如

長時間労働に甘んじてしまうのは、そもそも人生を楽しむという発想が無いから、という気がします。ですが、この点については、前述のとおり最近は改善の傾向があるように見えます。箱根の温泉ホテルなどは平日にいっても、結構混んでいて、みなさん人生を楽しんでいるなあと感じます。重要なことは生産性を改善して、その余った時間を楽しんでいるかどうか、です。そうでなければ、単なる怠け者です。

 

自分だけでも振り切る努力を

あれこれと書いてきましたが、日本で生まれ育って日本にいる、というだけで生産性が低くなりがちなのが、残念ながら現状です。そこに流されるのではなく、自分だけでも振り切って生産性を上げる努力が必要です。電話に出ないとか、当然世間の風当たりも強くなるわけですが、たった一度の自分の人生です。自分で納得のできる充実したクオリティ・オブ・ライフを目指すのが良いのではないでしょうか?

 

以上、日本人の生産性はなぜ低いのかという話題でした。

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2017年の株式投資の成果をまとめてみた

サラリーマンにおすすめの株式投資の方法は何と言ってもバリュー投資という方法です。バリュー投資は株式銘柄をいくつかの条件でスクリーニングして、スクリーニングの結果適切と判断される銘柄に投資するという考え方です。

 

バリュー投資

サラリーマンなど他に仕事がある人は、平日の場中に株式の値動きを見ている時間はありませんから、どうしても投資投資した後そのままほったらかしとなります。そうであったとしても長い間をかけて次第に値上がりし最終的にキャピタルゲインつまり値上がりによる利益を手にするという考え方がバリュー投資です。

短時間の間に株式の値上がりや値下がりに一喜一憂することなく、一度決めた銘柄を長期保有してそれによって利益を得ていくということになります。忙しいサラリーマンにはまさにうってつけの投資法です。

バリュー投資については書籍がたくさん出ていますので、興味がある方は是非一度本を読まれることをお勧めします。

 

 

私の投資成績

私の場合は、もう10年ほどこのバリュー投資というのを続けていて基本的に資産を溶かす(損をする)ことはありませんでした。むしろ資産が順調に増えています。投資して得た利益をまた再投資することで複利効果が得られますので、資産が膨らんでくるということを経験しています。

折れ線グラフにしてみると、次のような感じで成長しています。

短期的なデイトレーディングと違い、短い時間で大きな利益を得ることはできませんが、現在のような低金利の状況にあっても、普通預金などにお金を預けて置くよりはるかに高いリターンを産むことができています。

試しに、最近の投資の結果について振り返って確認してみたいと思います。

2017年の投資結果は+15%でした!2016年が+11%、2015年は-2%、2014年は+31%となっています。銘柄の入れ替えもありますし、年によってばらつきがありますが、2010年からの通算成績で見ますと+195%となっていまして複利効果がかなり効いています。

 

フィルターのやり方

株式銘柄のフィルターにはネット証券会社が提供しているツールを使うと良いでしょう。私の場合はSBI証券を使っており、提供されているフィルターツールを使っています。

ツールにはフィルターの条件を入力しますが、私の場合は次のように入れています。

(1)PERが10倍まで

(2)PBRが1倍まで

(3)利益の伸びが5%以上

(4)売上の伸びが5%以上

(5)自己資本比率が50%以上

factorフィルター

PERは株価の割安感の指標です。一般に10倍以下だと割安、20倍で普通、と言われているようです。割安で買って、普通になったら売る、というイメージです。

PBRは株式総額と資産総額の比です。もしその会社が倒産して資産をすべて売却したら、そのお金で株主に弁済できるかどうか、投資先として安全かどうかを示します。1倍つまり等価までなら安全と考えます。

売上と利益の伸びはその会社の成長性つまり将来性を示します。たまに成長がマイナスで株価が落ちてきたために、PER/PBRが小さくなっている銘柄がありますが、こういった銘柄がフィルターされます。

自己資本比率も安全性の指標です。総資本の半分以上が自己資本(つまり借金が半分以下)なら有利子負債の少ない安全な会社と考えます。

以上の条件でフィルターすると、安全で成長しているのに株価が割安な銘柄が分かります。通常幾つか銘柄が出てきますので、あとは追加の条件を付けるもよし、自分の好き嫌いで選ぶもよし、です。私の場合は各社の会社四季報をみて、業種を確認します。宅地建物取引士の自分が言うのも変ですが、少子高齢化の折、不動産業界の会社には将来性が感じられず、投資先としては選んでいません。

このように簡単に投資先が決まりますので、あとは買うだけです。買った直後は値下がりすることもありますが、経験ではしばらくするとプラスになることが多く、現在持っている銘柄も全部プラスです。ただし、2017年の相場はちょっと特殊でしたし、将来を保証するものではありませんが。

それぞれの自己責任の範囲にて、お試しあれ。

以上、2017年の株式投資の成果をまとめてみたという話題でした。

 





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印紙が必要かどうか判定するフローチャートを書いてみた




契約書や領収書のような公式な文章を作る場合には印紙の貼り付けにより印紙税を払う必要があります。その場合に印紙が必要ないという場合があり、必要なのか必要でないのかわからないということが起きます。今回は簡便的ではありますがそれを判断するフローチャートを以下のように作成してみました。



印紙が必要かどうか判断の流れ

まず印紙を貼る必要があるのは課税文書であるということです。課税文章でなければそもそも印紙を貼る必要はありません。

次にその書類がペーパーレスかどうかという判断があります。ペーパーレス、つまり PDF や電子メール等で作成されているものであれば、そもそも印紙を貼ることができませんので印紙は不要となります。

紙で作った場合には、契約書であれば更新期間の定めがあるかどうかが問題となります。更新期間の定めがあり、かつ3ヶ月以内、ということであれば印紙は不要となります。3ヶ月を超える更新期間の定めがある契約書の場合は一律4000円となります。

もし更新期間の定めがない場合には記載された金額によってその印紙税の金額が決まることになっています。

次に領収書の場合ですが領収書の場合は5万円未満であれば印紙は不要です。5万円以上である場合には金額によって必要な印紙を貼るということになります。

以上が代表的な課税文章である契約書と領収書に関する簡便的なフローチャートとなります。



課税文書とは

課税文書の一覧は国税庁のホームページに詳細が出ています。一般の契約書・定款・貯金証書・領収書などのなものは課税文書の範囲となります。法律上全部で20種類の課税文書が定義されています。

もう一つ非課税とされる文章があり、こちらも国税庁のホームページに定義が出ています。例えば国や地方公共団体等が作成する文書に関しては自分で自分に税金を納めても意味がありませんから非課税とされています。その他にもいくつか非課税の例があります。


ペーパーレスの場合は印紙不要

次にペーパーレスについてですが、課税文書であってもPDF や電子メール等で発行されたものは印紙を貼る必要がないとされています。このため紙で作成する文書との間で不公平があると言うことで今後法律が改正されるかもしれません。

ですが、少なくとも記事執筆時点では印紙を貼らなくてよいということになっています。ただその場合でも「電子領収書につき印紙不要」などと書面上に記載して、印紙の貼り忘れではないことをアピールしたほうが良いです。Googleの画像検索で事例が出てきますので、参考にしましょう。

また、印紙と直接関係ありませんが、関連する話題として、ペーパーレスの場合でも電子印をつかって社印を押印することは可能です。また、改ざんされたものでないことの証明が必要な場合は、さらに電子署名でまたは電子証明書をつけて信頼性を高めるというやり方もあります。

いずれにしろ、ペーパーレスによる課税文書を作る場合にはあらかじめ税務署に確認をしてペーパーレスで良いかどうか(印紙を貼らなくて良いかどうか)確認しておくことをお勧めします。仮に課税逃れと判定されると、過怠(かたい)税といって必要税額の3倍が課されるからです。

以上、印紙が必要かどうか判定するフローチャートを書いてみた、という話題でした。

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定年後設計フォーラム2018に参加してきた

平成30年3月4日(日)ファイナンシャル・アカデミー社主催の定年設計フォーラム2018に参加してきました。

このセミナーは主に50代の人を対象とした定年後にどう生きるかを考えましょうというセミナーでした。基調講演はテレビ朝日でニュースキャスターも勤められていた蟹瀬 誠一さんでした。そしてその次に下流老人という本を書いた藤田 孝典さんの公演が続きました。

 

普段はあまりこの手のセミナーには参加しないのですが、自分も50代に入ったということで今回将来設計を考えるためにこのセミナーに参加しました。

 

60歳以降を考えるポイント

二人の話に共通してあったポイントは今後考えるべき三つの大事なことがあって、50代のうちにこれらを考え始めることが60歳以降の人生に大きく影響するということです。

その一つ目は収入、二つ目は貯蓄、そして三つ目が人脈です。

このうち、収入と貯蓄については以前から考えていましたし、当然のことと思うのですが、三つめの人脈をそれほど重視されるとは思っておらず、とても意外でした。

やはり歳をとってから色々なことを相談できる人、困った時に頼れる人、そういうものが非常に大事だと言うことを、蟹瀬さんも藤田さんも言っておられました。

特に男性の場合は、定年後の人脈をどう作るのかというのは難しい課題です。早めに色々と準備をしておく必要があるなと思いました。会社にいるうちは会社の人脈仕事の人脈というものがありますが、それが消えて行った時に残る人脈というものがとても大事だということです。

女性の場合であれば、ダンス教室であったりコーラスグループとかそういう場所で人脈を作るのが得意ですが、男性の場合はなかなか難しいです。自分も今のうちからどうやってそのような人脈を作るのか考えていく必要があるなと思いました。決して人数はたくさん必要ないと思いますが年をとってから付き合える人脈というのはやはり大切です。

 

4つの資産

蟹瀬さんの話で印象深かったのは4つの資産規模の準備してくださいという話です。

まず第一に「かくれ資産」があります。これは何かと言うと隠れて目に見えない資産、ということで隠し資産とか簿外資産とかそういう意味ではありません。隠れて目に見えない資産とは言えば、保険や年金資産です。通常なかなかいくらあるのか目に見えませんから意識しないのですが、保険や年金資産がどのくらいあるのかこれが把握しておくことが重要です。とくに年金は年金宅配便に書いている数字は盛られていると心得るべきです。少子高齢化の構造上、どう考えても満額出るとは思えないからです。

二番目は当然に金融資産ということになります。現金は生活していくうえで、非常に重要というです。貯蓄だけでなく投資もここに入ります。

そして三番目が不動産です。持ち家を持つのかそれとも賃貸で行くのか、というのはよく問題になるなる訳ですが蟹瀬さんが言っておられたのは特にウィークエンドハウスの重要性です。週日は都会で働いたとしても 週末 だけ家族とリラックスできる場所、そういうものを持つことが50代60代以降では大事だと言うことを言っておられました。都心から1時間くらいで自然のある場所ということで、蟹瀬さんは軽井沢を選ばれたようですが、よく考えたら自分の自宅(所沢)はすでに都心から1時間くらいで自然のある場所ですので、それはどうなんだろう、という感じです。

最後に四番目が「じぶん資産」であるということです。じぶん資産とは自分の中に蓄積する思い出や色々な思いの蓄積です。例えば良い映画を見たとか、旅行に行ったとか、いい音楽を聴いたとか、そういう素晴らしい思いが自分の中に蓄積していくそれがじぶん資産だということです。

50歳を過ぎたのであれば、むしろこういう自分が素晴らしいと感じるものにお金を使い、じぶん資産の形成に投資すべきだと言うことを言っておられました。確かに40代まではお金を貯めるということが大事ですが50歳を過ぎたのであれば、豊かな人生を過ごすためにお金を使うということもとても大事になると思います。

 

寿命の中央値とライフプラン

下流老人の著者である藤田さんは、データを駆使して今後の社会の在り方の説明をされていました。特に印象的だったのは平均寿命と中央寿命の話です。平均寿命は今80歳と少しですが、中央値としての寿命を見ると、現時点でも既に90歳を超えているということだそうです。

リンダグラットンが「ライフシフト」で人生100年時代ということを言いましたが、まさにその通りで人生設計を考える上では100年というスパンで考えていく必要があります。


このように考えてきますと、ライフプランを作ることは非常に大事だなと思います。

ライフプランはファイナンシャルプランナーが仕事として作成するものですが、決して難しい話ではなくてExcel などを使って資産のシュミレーションをするということを目的にしています。

様々なライフイベント自分を想定して、現在の資産がその収入と支出によってどのように変化していくのか?あらかじめ見ておこうということが目的です。それによって自分の収入や支出のプランを見直すことができます。おそらく多くの人は100歳になる前には自己破産になることが予想されるでしょう。従って将来設計をよく見直して50代・60代のうちから調整対策していくことが大事なのです。ライフプランについてはこちらの記事もご参照ください。

ライフプランを作って安心を手に入れよう

以上、定年後設計フォーラム2018に参加してきたという話題でした。

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三匹の子豚の三男もしくは働かないアリにみる組織論




先日とあるセミナーにて厚切りジェイソンさんの講演を聴きました。厚切りジェイソンさんはご存知のとおり、お笑い芸人でありながら米国TerraSky社の役員といいうお立場の方です。役員としての知性と芸人としてのプレゼンテーション力を兼ね備えており、講演は秀逸でした。ここ最近見た中ではダントツ。いろいろ勉強になったわけです。

そんな中でも彼が話した「三匹の子豚」の話がとても示唆に富んでおり、深く考えるきっかけになりました。

 

ジェイソンさんの「三匹の子豚」(ネタばれ)

三匹の子豚のお話自体は、みんな大抵知っていますし、特に最近子育てした方は鮮明かと思います。自分はすっかり忘れていたのですが、簡単に言うと次のような話です。

ある村に三匹の子豚がいました。長男・次男・三男の三兄弟です。あるとき、狼が村を襲うかもしれない、と聞きつけて、危ないのでそれぞれ家を建てることにしました。三男は遊びたい盛りで、家を建てるなんて面倒で仕方ありません。そこでワラを集めてきて適当に家を建てました。それを見ていた次男は「さすがにワラは無いでしょ」ということで、木材を集めて木の家を建てました。それを見ていた長男は「そんな弱いのじゃ駄目でしょ」ということで、レンガを集めてきて、隙間無く強固な家を建てました。

そんなある日、本当に狼がやってきました。まず、一番弱そうな三男に家に「がおー」と襲い掛かります。ワラの家はひとたまりも無く壊れてしまい、三男は命からがら次男の家に逃げ込みました。狼も追いかけてきて今度は次男の家に「がおーがおー」と襲い掛かりました。木の家でも持ちこたえられず、二匹は命からがら長男の家に逃げ込みました。狼も追いかけてきて今度は長男の家に「がおーがおーがおー」と襲い掛かりました。

ですが、さすがにレンガの家は強く狼は諦めて森に帰っていきました。三匹の子豚は無事生き延びることができました。めでたしめでたし・・・

さて、ここで問題です。この話から得られるレッスン(教訓)は何でしょうか?

普通は長男のように勤勉でまじめなことが大事、十分な準備を怠らず、リスクに対処しましょう、ということかと思います。ですがジェイソンさんの話したレッスンは、「三男のように遊んでしまっても、最後生き延びられれば結果オーライ。他の人がレンガの家を建ててくれるので遊んじゃって大丈夫」ということでした。

講演会場は苦笑に包まれた訳ですが、自分は「いや、まったくそのとおり」と思いました。そして、この話は考えれば考えるほど深いものがあります。



 

この話の本当のレッスン

最小限のスタートで結果オーライを目指す

最初から完成度の高いものを目指さずに、最小限・最低限のコアと呼べるものだけを準備して、とりあえずスタートしてしまう。そのあとは状況に応じて対応すれば良い、ということです。

三男のようにとりあえず最小限のワラの家を建てて自分の好きなことをやり、狼襲来の状況変化に応じて、人の家に逃げ込むという対応は、ある意味正しいです。結果生き延びた訳ですから、問題ありません。三男の人生(豚生?)を充実したものにしてくれるでしょう。最初から完成度の高いものを目指して時間を無駄にする可能性もある訳ですから、時間という誰にも有限なリソースを最もうまく使ったのは三男ということになります。

 

自分で全部やらなくてよい

今回は長男がレンガの家を建ててくれていたので、三匹とも生き延びることができました。要するに三男や次男は自分がやらなくても、長男がやってくれたおかげで助かったのです。これは逆に言うと、組織に長男のような人がいる事が最初から分かっていれば、三男や次男は自分でやる必要はないのです。

神経質な人や完璧主義の人は自分で全部やらないと気がすまないという人がいますが、それは体や心にとってとても有害な考え方です。放っておけば人がやると考えて、あえて自分でやらないことが大事です。これによって、ストレスや病気から自分を守ることができます。

 

組織にマネージャーは不要かも

この話には管理者(マネージャー)というものは出てきません。狼襲来のうわさを聞きつけて、三匹の子豚は自発的に行動を起こしたのです。だれもマネージャーから仕事をアサインされたりしていません。このことは、従来からある階層的な組織とか指揮命令系統が本当に必要なのだろうか?という疑問を投げかけています。

組織のメンバーがそれなりに成熟していれば、外部からの刺激を感知して、それぞれが必要な反応を勝手に行う、ということが考えられます。最近はどの職場も高齢化してベテランばかりですから、わざわざマネージャーから仕事をアサインしなくても、それぞれが必要な仕事をするのでは?ということです。

 

組織には多様性が必要

もしも三匹の子豚が全員三男のような性格だったらどうでしょうか。全員狼に食べられて終了です。しかし、一方でもしも三匹の子豚が全員長男のような性格だったらどうでしょうか。もちろん狼襲来にはベストの布陣ですが、それぞれがレンガの家の建築に時間をかけていますので、組織のリソース活用という意味では問題があります。つまり無駄が生じているということです。

つまり、組織には同じような構成員しかいないと、不都合があるということです。今回は狼襲来という事態でしたので、長男タイプの構成員が機能したわけですが、例えば村の文化祭があってアート作品を作成するという事態であれば、どうだったでしょうか?ひょっとすると、三男が普段遊んでいるだけあって、自由な発想で良い作品を提案するかもしれません。

このように様々な事態に適切に対応できるようにするには、組織には多様性が必要だと言えます。金太郎飴のような組織は意外と脆いのです。

 

アリの世界に学ぶ

上記で外部からの刺激を感知して、三匹の子豚がそれぞれが必要な反応を勝手に行う、ということを書きましたが、まさにこれが起きているのがアリの社会です。最近下記の書籍「働かないアリに意義がある」を読んだのですが、この中で紹介されているとおり、アリの社会(コロニー)には女王と働きアリしかいません。

中間管理職無しに、ある者は巣を作り、ある者を餌を探し、ある者は卵の世話をします。だれも仕事を命じたりしていません。これは反応閾値(はんのういきち)というそうで、人間でも汚れた部屋に我慢できずに直ぐに掃除する人と、そんな部屋でも平気でご飯を食べれる人がいますが、刺激に対して勝手に反応してしまう習性をいいます。

それぞれのアリが様々な刺激に対して勝手に反応することで、コロニー全体としての運営ができているというわけです。これが人間の組織に応用できれば、つまり構成員各人の反応閾値をうまく組み合わせれば、管理職はいらなくなる、と思ってしまうのです。

そうなると中間管理職の数は減って、ビッグボスが人材のオーケストレーションだけやるような組織が将来の組織かなと思うわけです。ちなみに、書籍のタイトルになっている働かないアリの意義も非常に面白いです。是非ご一読を。

 

以上、三匹の子豚の話や、働かないアリの本を読んで働き方や組織論についていろいろ考えてみた話でした。

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【ビジネスで使う統計学】テストマーケティングの効果を統計的に分析する方法

テストマーケティング

同じ商品でもパッケージのデザインによって売れ行きが変わったり、Webサイトでいえばデザインによってクリック数が変わったりします。

このため、どのデザインにしたら良いか会議があり話し合うのですが、最後は多数決とかエイヤーで直感頼みで決めたり、偉い人の鶴の一声で決めたりする訳です。そこにはこれといった根拠や理由はありません。ただ単になんとなく、決まるのです。

しかし、それでは博打と同じで、特に大きな投資となる場合には、心もとないですし、選ばれなかったデザインを推していた人も釈然としません。

そこでテストマーケティングしてみよう、という話になります。例えば4パターンのデザイン全てのパッケージによる商品を店頭に並べてみたり、Webサイトのデザインを一定期間で変えたりして、どちらが選ばれるのか?というのを検証する訳です。

そうするとデータが取得できます。A/B/C/Dの4パターンのパッケージ商品がそれぞれいくつ売れたのか?とか、A/B/C/Dの4パターンのWebデザインのそれぞれで目的となるリンクやボタンのクリックが何回あったのか?というデータです。

例えば下記のような感じです。

A・・・20個売れた

B・・・30個売れた

C・・・40個売れた

D・・・10個売れた

これはもう圧倒的にCですよね、一番売れたし、となります。

ここで疑い深い人から「本当にそうか?」「たまたまでは?」という疑念が沸き起こります。

そんなときに使うのが、「カイ二乗(かいじじょう)検定」です。

 

カイ二乗検定とは

カイ二乗検定の「カイ」はギリシャ文字のΧです。英字のエックスに似てますが、ちょっと違います。Χの二乗だからカイ二乗です。

検定とは統計学界隈で使われている手法で、統計学的が裏付けのある意味のある違い(変化)が認められるかどうかを調べるやり方です。検定は、実際には難しい数式による計算を行う必要があるのですが、そういったことは専門家に任せておいて、私たちは要するにビジネスの現場でツールとして検定を使えれば良いのです。

計算自体はExcelに用意されている関数を使うだけです。この関数に数値をいれて、計算結果だけを使います。検定の計算結果はp値(ぴーち)と呼ばれていて、このp値の大きさが5%(0.05)より大きいか・小さいかで判定します。

5%(0.05)より大きければ、有意な(意味のある)違いが無い、と判定されて、上記の例ではパターンCがもっとも売れたのはたまたまで、統計学的な根拠無し、となります。

5%(0.05)より小さければ、有意な(意味のある)違いがある、と判定されて、上記の例ではパターンCがもっとも売れたのは確かで、統計学的な根拠有り、となります。

そして統計学的な根拠有りとなったら、そのことを上司なりクライアントなりにアピールしましょう。上司やクライアントはたいていの場合統計学に明るくないので、「そうなのかー」と納得してくれます。(たまに専門家の方がいて、冷や汗をかきますが)

 

Excelを使った分析のやり方

Excelでカイ二乗検定はCHITEST()という関数を使います。

まず下図のような表にデータを入れます。2行目はそれぞれのパターンの実測値を、3行目には期待値を入れます。期待値は本来どのパターンも同じになるはずですので、25ということになります。

それでどこかのセルに「=CHITEST(B2:E2,B3:E3)」と入れて計算させます。B2:E2というのが実測値の範囲、B3:E3というのが期待値の範囲の指定です。

上記の例では、計算結果は「0.00016974」と出ます。すなわちp値が5%(0.05)より小さいですので、有意であるということになり、従って統計学的にもパターンCがもっとも売れるパターンであると結論づけることができます。

今回サンプル数が全体で100でしたが、100程度はないと「たまたま」との違いを検知できないようですので、注意が必要ですね。

以上、テストマーケティングの効果を統計的に分析する方法について、でした。

統計学の基本が勉強したいときには、この本がお勧めですよ。私も愛読しています。

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相続税と贈与税、どちらがお得か

親世代から子供の世代にどうやって財産を引き継げば良いのか、どのように節税を考えたら良いのか?という問題があります。財産を引き継ぐ方法には大きく相続と贈与があるのですが、それぞれの場合および組み合わせでどのように税金が変わるのか、シミュレーションしてみました。

シミュレーションの前提

資産8,000万円を配偶者と子(2人)に引き継ぐとします。相続の分割割合は法定分どおりとして、現在(平成30年2月)の税法や税率が10年後も同じとします。簡略化のため資産はすべて現預金とし、お金の時間価値や利回りは無視します。

 

相続が起きた場合(例1)

法定相続人が3人ですので、課税価格は8,000-(3,000+600×3)=3,200万円となり、各人の相続税は以下の通りとなります。

配偶者 3,200万円 x ½ x 15% – 50 = 190万円

子1人あたり 3,200万円 x ½ x ½ x 10% =80万円

従って、相続税の総額は 190 + 80×2 = 350万円 となります。

結果、各人の相続税額は法定相続分で分割したとすると、配偶者は350 x ½ = 175万円 ですが配偶者の税額控除(法定相続分もしくは1億6000万円までのいずれか多い金額)により結果として0円(納税額無し)になります。

子の相続税額は1人あたり 350 x ½ x ½ =875,000円 となります。

すなわち、家族全体の納税額は子2人分で1,750,000円となります。

 

贈与により財産を引き継いだ場合(例2)

資産8,000万円のうち、4,000万円を配偶者に、2,000万円ずつ2人の子に一括贈与(暦年贈与)した場合で考えます。

その場合、各人の贈与税額は次の通りとなります。

配偶者 4000-基礎控除額110 = 3890  ∴3890×55%(一般税率)- 400 = 17,395,000円

子1人あたり(仮に2人とも20歳以上とします) 2000 – 110 = 1890 ∴1890×45%(特例税率) – 265 = 5,855,000円

すなわち、家族全体の納税額は29,105,000円となります。

相続の場合に比べてずいぶん高いことが分かります。

 

贈与を時間をかけて行う場合(例3)

次は贈与の基礎控除額110万円の範囲内で10年間100万円ずつ3人に贈与し、残りの資産5000万円のうち2500万円を配偶者に、1250万円ずつ2人の子に一括贈与(暦年贈与)した場合で考えます。

まず最初の10年間は基礎控除額以下であるため、税額は発生しません。ただし、この場合最初からまとまった金額を贈与することを意図していたと税務署に認定されてしまうと、贈与税が課税される可能性があります。このため、面倒でも毎年贈与契約書を交わして都度の贈与である証明が必要です。

そういった要件はクリアしたとして、11年目の贈与では各人の贈与税額は次の通りとなります。

配偶者 2,500-110 = 2,390  ∴2,390×50%(一般税率)- 250 = 9,450,000円

子1人あたり(仮に2人とも20歳以上とします) 1,250 – 110 = 1,140 ∴1,140×40%(特例税率) – 190 = 2,660,000円

すなわち、家族全体の納税額は14,770,000円となります。

最初に全額贈与してしまうのに比べて、半額ほどに圧縮できることになります。

 

時間をかけて贈与したのち相続が発生した場合(例4)

最後は贈与の基礎控除額110万円の範囲内で10年間100万円ずつ3人に贈与し、残りの資産5000万円のうち2500万円を配偶者に、1250万円ずつ2人の子に相続した場合で考えます。

10年間100万円ずつ3人に贈与していた場合で、残りの資産5000万円を相続した場合、最初の10年間は前例と同様に贈与税額は発生しません。

相続において法定相続人が3人ですので、課税価格は5,000-(3,000+600×3)=200万円となり、各人の相続税は以下の通りとなります。

配偶者 200万円 x ½ x 10%  = 10万円

子1人あたり 200万円 x ½ x ½ x 10% =5万円

従って、相続税の総額は 10 + 5×2 = 20万円 となります。

結果、各人の相続税額は法定相続分で分割したとすると、

配偶者 20 x ½ = 10万円 ですが配偶者の税額控除(法定相続分もしくは1億6000万円までのいずれか多い金額)により結果として0円(納税額無し)

子1人あたり 20 x ½ x ½ =50,000円 となります。

すなわち、家族全体の納税額は子2人分で100,000円となります。

最初に贈与をしておくことで、相続税もかなり圧縮できることがわかります。

 

お勧めの考え方

以上の4つの例からわかることとして、原則として相続税は贈与税より安いことがわかります。これは相続税が財産の形成に貢献した家族を優遇する考え方から当然といえば当然です。今回は簡略のために財産は全て現預金と仮定しましたが、現預金を不動産や保険に変えることで相続税をさらに圧縮しようという考え方も世の中的にはあります。ですが、それはそれで将来不都合となる(不動産価格の下落とか)可能性がありますので、本当にそこまでして相続税を圧縮したいのかどうか、慎重にリスクを判断することをお勧めします。

また、事前に贈与の基礎控除額の範囲で少しずつ贈与しておく、または贈与税が非課税となる特例措置(住宅取得等資金贈与の非課税など)を利用するなどして、資産を減らしておくと全体としての税額を相当圧縮することができます。ですが、これは長期的な計画に基づいて行なっていく必要があり、急には対応できないということに注意が必要です。

最もお勧めのシナリオは例4のように、基礎控除額の範囲で少しずつ贈与しつつ、自分で形成した財産を自分の為に使い、残った財産を相続する、というものです。自分で苦労して作った財産ですから、子供たちに少額贈与をしつつご夫婦で楽しい老後を送る、というのがベストです。

上記の例は、非常に簡略化した条件でシミュレーションしています。実際の状況はもっと複雑ですので、ご自身の状況について早いうちから専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

 

以上、相続税と贈与税、どちらがお得かという話題でした。

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クラウド会計ソフト市場はどうなっているのか




最近会計ソフトもクラウド化が進んでいるという印象があります。古い会社や個人事業主はともかく、新しく起業して、さて会計ソフトはどうしよう?となったときに、多くの方がクラウド会計ソフトを選ばれるのかなと。

それで世の中の利用状況は実際どうなのか?ということで、調べてみたところ株式会社MM総研さんというところが、個人事業主を対象に調査して結果をネットに公開されていました。2017年3月の調査ですので、わりと新しいデータです。

詳しくはMM総研さんのニュースリリース「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2017年3月末)」をご参照頂ければと思いますが、要するに次のことがわかります。

 

調査から分かること

(1)個人事業主の32%はなんらかの会計ソフトを使って自分で経理しているが56%は使っていない(おそらく税理士事務所などに委託している)。

(2)会計ソフトを使っている個人事業主の13%はクラウド会計ソフトを使い、77%は従来のインストール型会計ソフトを使っている。

(3)クラウド会計ソフトを使っている個人事業主の56%は弥生を選んでいる。マネーフォワードとfreeeはそれぞれ19%と16%。


ここから得られる知見は

(1)クラウド会計ソフトの市場は意外に小さい。全体から見たら0.56 x 0.13 = 7% しかない。逆に言うと、インストール型会計ソフトの置き換えによる伸びしろが大きい。

(2)なんだかんだ言っても、弥生がナンバーワン。マネーフォワードとfreeeがもっと強いと思っていました。

(3)昔ながらの税理士事務所などへの委託マーケットも実は健在

といったところでしょうか。



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【2019年 所得税確定申告】国税をクレジットカードで決済する方法 

平成29年から国税の全ての税目(加算税、延滞税等の附帯税を含む)でクレジットカード決済が可能となっています。具体的には、国税庁長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へ、国税の納付の立替払いを委託する、という形になっています。




 

クレジットカード払いはお得か?

クレジットカードなので決済できる限度額がありますが、その限度額の範囲内であれば、カード払いのメリットがあります。メリットはカード払いに付帯するマイルやポイントを取得できること、また実際にキャッシュが引き落としになるまで若干の時間差があること、です。

ただし、納付受託者への決済手数料が必要となるため、コストとベネフィットを比較して、クレジットカード決済が本当に得かどうか判断するようにしましょう。

決済手数料は納付税額が最初の1万円までは76円(消費税別)、以後1万円を超えるごとに76円(消費税別)を加算した金額となります。例えば、納付税額が10万円なら、手数料が税込で820円かかることになります。

自分の場合、JALカードで「ショッピングマイル・プレミアム」に加入しているので、100円の決済につき1マイルが付与されて、このカードを使うと1000マイルを得ることができます。これと820円とを比較してどちらが得かという判断になりますが、獲得したマイルをどう使うのかにもよりますので、微妙なところではあります。


クレジットカードで決済する方法は?

申告のやり方によって、3つの方法があります。

1 国税庁ホームページから払う

普通に紙の申告書ベースで申告の準備をした場合は、国税庁ホームページから払うことができます。「国税クレジットカードお支払サイト」をクリックしてアクセスします。

2 確定申告書等作成コーナーから払う

国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーで申告書を準備した場合は、申告書を作成した際に表示される納付方法の案内画面からアクセスします。

3 e-Tax(国税電子申告・納税システム)から払う

e-Taxを利用して電子申告・徴収高計算書データの送信又は納付情報登録依頼をしたときは、その後メッセージボックスに格納される受信通知からアクセスします。



 

決済時に必要な情報は?

上記の方法で決済画面にアクセスしますと、入力フォームがありますので、利用者情報、納付内容、クレジットカード情報の3つを入力して決済すれば完了です。基本的に普通のインターネットショッピングの決済と同じです。利用者情報や納付内容は国税庁の情報を引き継いで自動で埋めて欲しいところですが、現状そうなっていません。自分で入れましょう。


以上、国税をクレジットカードで決済する方法、という話題でした。関連エントリーは下記よりご参照ください。

【2019年 所得税確定申告】外資系企業の従業員がRSUをもらった場合
【2019年 所得税確定申告】持株会で株式を取得した場合
【2019年 所得税確定申告】ビットコインで儲けがある場合
【2019年 所得税確定申告】個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)を始めた場合
【2019年 所得税確定申告】ふるさと納税をした場合
【2019年 所得税確定申告】サラリーマン大家さんの場合
【2019年 所得税確定申告】作家や漫画家なら個人事業税が非課税に

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